第6回:遺産分割と不動産トラブル解決法

相続で特にトラブルが起きやすいのが「不動産の分け方」です。現金や預金と違い、不動産は簡単に分割できないため、遺産分割協議で意見が対立するケースが多くあります。ここでは、遺産分割における不動産トラブルの主な原因と解決方法を解説します。

この記事の結論

  • 不動産は物理的に分けにくく、評価額の見解の違いや感情的な対立から、遺産分割でトラブルになりやすい財産です
  • 解決方法には「換価分割(売却して現金で分ける)」「代償分割(一人が取得し代償金を払う)」「共有分割(全員で共有する)」の3つがあります
  • 共有分割は将来的な売却・管理で新たなトラブルを招きやすく、慎重な検討が必要です
  • 2023年の民法改正により、共有者の一部と連絡がつかない場合でも解消しやすくする制度が整備されています

1. 遺産分割で不動産が揉めやすい理由

  • 分割しにくい財産であること:1つの土地や建物を相続人ごとに物理的に分けるのは難しい
  • 評価額に差が出やすい:不動産の評価は一律ではなく、相続人によって「高い」「低い」の見解が分かれる
  • 感情的な対立:「実家だから残したい」「売却したい」など、思い入れが意見の対立を生みやすい

2. よくある不動産トラブルの例

  • 相続人の一人が「住み続けたい」と主張するが、他の相続人は「売却して現金化したい」と希望する
  • 評価額や査定額に納得できず、遺産分割協議がまとまらない
  • 誰が固定資産税や維持管理費を負担するのかでもめる

3. 不動産トラブルの解決方法

(1)換価分割

不動産を売却して現金に換え、そのお金を相続人で分ける方法です。最も公平に分けやすい解決策といえます。

(2)代償分割

相続人の一人が不動産を取得し、その代わりに他の相続人へ現金などを渡す方法です。実家を残したい相続人がいる場合に有効です。

(3)共有分割

不動産を相続人全員で共有する方法です。一見平等ですが、将来的な売却や管理の際に、共有者全員の同意が必要になるなど、新たなトラブルになるリスクが大きい方法です。

実務上のポイント:2023年(令和5年)4月の民法改正により、共有不動産に関するルールが見直されました。壁の修繕など「軽微な変更」は共有者全員ではなく持分の過半数で決定できるようになったほか、共有者の一部と連絡が取れない場合でも、裁判所の手続きを経てその持分を取得したり、売却したりできる制度が新設されています。ただし、こうした制度は手続きに時間がかかることも多く、共有状態そのものを避けられるなら、換価分割や代償分割で早めに解消しておく方がシンプルです。

4. 解決のためのステップ

  1. 正確な不動産評価を行う(不動産会社の査定や専門家の鑑定)
  2. 相続人全員で話し合う(遺産分割協議書を作成)
  3. 専門家に相談する(弁護士・司法書士・税理士など)
  4. 家庭裁判所の調停を利用する(協議がまとまらない場合の最終手段)

5. 福井市での不動産相続のポイント

福井市内でも「空き家問題」や「農地の相続」がトラブルにつながるケースがあります。地域に詳しい不動産会社や士業に相談することで、スムーズな解決が期待できます。

まとめ

相続不動産のトラブルは、感情的な対立だけでなく、分割の難しさから起きるものです。

  • 売却して現金に分ける(換価分割)
  • 一人が取得し代償金を支払う(代償分割)
  • 共有にするが将来的なリスクがある(共有分割)

いずれにしても、早めに専門家へ相談することが円満な解決につながります。

春山不動産 代表者 間 麗

福井市の不動産売買・相続・空き家のご相談

この記事を書いた人:代表者 間 麗 (はざま あきら)

不動産業界歴20年の知見を活かし、福井市春山にて「春山不動産」を開業。不動産売買・賃貸の仲介から、管理、コンサルティング、相続・空き家・建物解体のご相談まで、一人ひとりに寄り添い手厚くサポートいたします。