火災保険料の値上がりは「空き家、そろそろ潮時」のサイン?維持費と売却のシミュレーション

この記事でわかること
- 空き家は人が住んでいる家より火災保険料が割高になりやすく、近年の相次ぐ改定でさらに負担が増えている
- 固定資産税・管理の交通費・水道光熱費の基本料金・火災保険料を合計すると、空き家の維持費は年間15〜20万円程度、5年で80〜100万円規模になることが多い
- 維持している間に建物が傷むと査定額が下がるため、「維持費がかさむ」「資産価値が目減りする」の二重の負担になりやすい
- 火災保険の更新通知が届いたタイミングは、維持と売却を数字で比較する良いきっかけになる
「実家の火災保険、また保険料が上がっている」——更新のお知らせを見て、そう感じたことはありませんか。空き家の維持費は固定資産税や管理の手間だけでなく、火災保険料も含めて年々じわじわと増えています。今回は、福井市内で相続した空き家を持ち続けている方に向けて、維持費と売却した場合の手取りをシミュレーションで比較しながら、「そろそろ潮時かどうか」を考えるヒントをお伝えします。
空き家の火災保険料は、なぜ割高になりやすいのか
無人であること自体がリスクとして評価される
火災保険は、建物の構造・築年数に加えて「誰かが住んでいるかどうか」も保険会社のリスク評価に影響します。空き家は異常があってもすぐに気づけず、被害が拡大しやすいため、居住中の住宅より保険料が高く設定されるケースがあります。契約時に「空き家である」ことを正しく申告していないと、いざという時に補償を受けられないリスクもあるため注意が必要です。
保険料自体の値上がりも重なる
火災保険料は近年ほぼ2〜3年おきに改定が続いており、直近の公式な改定は2023年6月届出・2024年10月契約分からの全国平均13%引き上げです。次の改定についても報道が出ていますが、2026年8月時点で公式な発表はまだ確認できていません(詳しくは火災保険は2026年10月にまた値上がり?で解説しています)。空き家特有の割高な保険料に、こうした全体的な値上がりが重なることで、負担は毎年少しずつ増えていく構造になっています。
維持費と売却、5年間で比べるとどうなるか
空き家の年間維持費のモデルケース
福井市内でよくある築25〜35年程度の戸建てを例にすると、年間の維持費はおおよそ次のような内訳になります(金額は目安のモデルケースであり、実際の税額・保険料は物件ごとに異なります)。
- 固定資産税・都市計画税:年6〜10万円程度
- 管理の交通費・除雪や剪定の委託費:年3〜6万円程度
- 水道光熱費の基本料金:年1〜2万円程度
- 火災保険料:年2〜4万円程度(値上がり傾向)
| 費目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 固定資産税・都市計画税 | 6〜10万円程度 |
| 管理の交通費・除雪や剪定の委託費 | 3〜6万円程度 |
| 水道光熱費の基本料金 | 1〜2万円程度 |
| 火災保険料 | 2〜4万円程度(値上がり傾向) |
| 合計(目安) | 15〜20万円程度 |
合計すると年間15〜20万円程度、5年間では80〜100万円程度が「住まないまま」出ていく計算になります。維持費の内訳全体は福井の実家を「負動産」にしないためにでも詳しく解説しています。
維持している間に、資産価値も目減りしていく
さらに見落とされがちなのが、維持している間の資産価値の変化です。空き家は使われないまま数年経つと、湿気による建物の劣化が進みやすく、査定額が下がる要因になります。つまり「維持費を払い続けながら、売った時の手取りも減っていく」という二重の負担が生じる可能性があります。相続から3年目の年末が期限となる3,000万円特別控除(空き家特例で最大3,000万円控除)が使える期間かどうかも、判断材料の一つになります。
現場でよくある失敗例と対策
- 失敗例1:保険料の値上げ通知を見ても「仕方ない」とそのまま更新し続け、数年分の値上がり額を試算したことがなかった
- 失敗例2:維持費の負担感だけで判断し、実際に売却したらいくらになるかを一度も調べないまま数年が経過した
- 失敗例3:判断を先延ばしにしているうちに3,000万円特別控除の期限(相続から3年目の12月31日)を過ぎてしまった
こうした失敗を避けるための対策は次の3点です。
- 保険の更新通知が届いたタイミングで、年間の維持費を一度合計して「見える化」する
- 維持費の負担感だけで判断せず、現在の査定額もあわせて確認したうえで比較する
- 税制優遇の期限がある場合は、判断を先延ばしにせずカレンダーで管理する
まとめ
- 空き家は保険料が割高になりやすいうえ、火災保険料自体の値上がりも重なり、維持費は年々増える傾向にある
- 年間の維持費は15〜20万円程度、5年で80〜100万円規模になることが多い
- 維持している間に建物が傷むと、査定額も目減りしていく可能性がある
- 保険の更新通知が届いたタイミングは、維持と売却を数字で比較する良いきっかけになる
「保険料が上がったから今すぐ売るべき」というわけではありません。大切なのは、感覚ではなく数字で比較して判断することです。春山不動産では、無理に売却をお勧めすることはせず、「このまま維持すると年間いくらかかるか」「今売却するといくら手元に残るか」をフラットにお伝えしたうえで、一緒に最適なタイミングを考えます。まずは無料査定で、今の資産価値を確認するところから始めてみませんか。

福井市の空き家管理・売却のご相談
この記事を書いた人:代表者 間 麗 (はざま あきら)
福井市の「春山不動産」代表。不動産業界歴20年の知見を活かし、不動産売買・賃貸の仲介から、管理、コンサルティング、相続・空き家・建物解体、住宅ローンのご相談まで、一人ひとりに寄り添い手厚くサポートいたします。
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