福井市で家を買う前に確認したい水害リスク|ハザードマップの見方と、不動産会社への聞き方

この記事でわかること
- 家や土地を買う前に、水害のリスクは「ハザードマップ」で確認できる
- 洪水の想定には「計画規模」と「想定最大規模」の2種類がある。両方を見ると、リスクの幅がわかる
- 区域に入っている=買ってはいけない、ではない。浸水の深さと、建物・備えで判断する
- 契約前の重要事項説明でも、水害ハザードマップでの所在地の説明が行われる(2020年8月28日から義務)
「福井市で家を探しているけれど、水害は大丈夫だろうか」「気に入った物件が、浸水想定区域に入っていた」——購入を考える方から、こうしたご相談をいただくことがあります。福井市は、九頭竜川・日野川・足羽川などの流域に市街地が広がっており、2004年7月の福井豪雨のような大雨の記憶がある方も多い地域です。この記事では、家や土地を買う前に、水害リスクをどう確認し、どう判断すればよいかを整理します。
まずは、ハザードマップで住所を調べる
水害のリスクは、国・県・市が公表しているハザードマップで、住所ごとに調べられます。気になる物件が見つかったら、その住所で、次の2つを確認します。
- 洪水:河川が氾濫したときに、浸水すると想定される範囲と深さ
- 土砂災害:山沿い・斜面近くで、がけ崩れ・土石流・地すべりのおそれがある「土砂災害警戒区域」に入っているか
当社でも、福井市の洪水と土砂災害警戒区域を、住所を入れるだけで調べられるマップを用意しています。福井市のハザードマップ(洪水・土砂災害を住所から調べる)から、物件の住所をお試しください。最終的な確認は、福井市・福井県の公式のハザードマップでお願いします。
洪水の「計画規模」と「想定最大規模」の違い
洪水のハザードマップには、想定する雨の大きさが違う、2種類の図があります。
| 項目 | 計画規模 | 想定最大規模 |
|---|---|---|
| 想定する雨 | 河川ごとに、整備の目標として定められた規模の雨(概ね10〜150年に1度程度) | 想定し得る最大規模の雨(概ね1,000年に1度程度) |
| 浸水の範囲・深さ | 相対的に狭く、浅い | 広く、深い |
| 見る目的 | 堤防などの整備水準で起こりうる浸水の目安 | 「最悪の場合」にどこまで浸水するかの目安 |
どちらか一方だけを見るのではなく、両方を見るのがポイントです。計画規模で浸水が想定される場所は、比較的起こりやすい水害への備えが必要な場所。想定最大規模でだけ浸水する場所は、まれな大雨のときの避難の備えを考える場所、と整理できます。
浸水の深さは、暮らしにどう影響する?
ハザードマップでは、浸水の深さが色分けされています。深さごとの、おおまかな目安は次のとおりです(建物の構造や高さで変わります)。
| 浸水の深さ | 暮らしへの影響の目安 |
|---|---|
| 0.5m未満 | 床下浸水〜床上すれすれ。畳や家具の被害、床下の乾燥・消毒が必要になることも |
| 0.5〜3m | 1階が浸水するおそれ。家財・設備(給湯器・エアコン室外機など)への被害が大きくなる |
| 3〜5m | 2階の床付近まで浸水するおそれ。2階への垂直避難が必要になる |
| 5m以上 | 2階建てでも、2階を超えて浸水するおそれ。早めに、安全な場所へ避難する必要がある |
福井市は、浸水想定区域がどのくらい広い?
当社で、国土地理院のハザードマップの画像を、福井市の小学校区(48校区)に重ねて集計したところ、想定最大規模の浸水想定区域が、校区の面積の半分以上を占める校区は、48校区のうち30校区ありました。一方で、5%未満の校区も6校区あります。平野部の市街地は浸水想定区域に入ることが多く、山沿いの地域は、洪水より土砂災害のほうに注意が必要、という傾向です。
つまり、福井市で家を探すとき、「浸水想定区域に入っているかどうか」だけで絞り込むと、候補がかなり少なくなります。大切なのは、区域に入っているかどうかではなく、どのくらいの深さが想定されているかと、その備えができるかです。校区ごとの傾向は、福井市のハザードマップのページの一覧表で確認できます。ただし、同じ校区でも、場所によって浸水の深さは大きく変わります。個別の物件は、必ず住所で確認してください。
気になる物件のハザード、一緒に確認します。まずはお気軽にご相談ください
浸水想定区域に入っていたら、どう判断する?
浸水想定区域に入っているからといって、「その物件は買ってはいけない」わけではありません。次の点を確認して、総合的に判断することが大切です。
- 想定される浸水の深さ:0.5m未満なのか、3m以上なのか。計画規模と想定最大規模のそれぞれで確認する
- 建物の階数・基礎の高さ・敷地の高さ:2階建て以上か、基礎が高いか、道路や周囲より敷地が高いか
- 設備の位置:給湯器・エアコンの室外機・電気の分電盤などが、浸水しにくい位置にあるか
- 避難のしやすさ:近くの避難場所と、そこまでの道すじ。浸水時に通れる道か
- 火災保険の水災補償:補償の範囲は、契約内容で異なります。購入前に、水災補償が付けられるかと、保険料を確認しておくと安心です
反対に、区域に入っていなくても、安全とは限りません。想定を超える大雨や、排水が追いつかないことによる浸水(内水)は、ハザードマップの区域外でも起こりえます。区域の外であることを、安心の根拠にしすぎないことも大切です。
重要事項説明では、何が説明される?
不動産会社は、売買や賃貸の契約を結ぶ前に、重要事項説明を行います。2020年(令和2年)8月28日から、この説明の中で、水害ハザードマップを示して、物件の所在地を説明することが義務になっています。また、土砂災害警戒区域に入っているかどうかも、説明の対象です。
ただし、重要事項説明は、契約の直前に行われるのが一般的です。気に入って申込みをしてから、水害リスクを知るのでは遅いことがあります。物件を絞り込む段階で、住所でハザードを確認しておくと、後悔が少なくなります。重要事項説明の全体像は、重要事項説明とは?購入前に確認すべきチェックポイントで解説しています。
不動産会社に聞いておきたい、5つの質問
物件を見学するときや、購入を相談するときは、次のことを聞いてみてください。
- この物件の住所は、洪水の浸水想定区域に入っていますか?(計画規模・想定最大規模のそれぞれで、浸水の深さは?)
- 土砂災害警戒区域(イエロー・レッド)に入っていますか?
- 過去に、この周辺や敷地で、浸水したことはありますか?
- 敷地の高さや、基礎の高さ、給湯器などの設備の位置はどうなっていますか?
- 近くの避難場所と、避難の道すじは?
「聞きにくい」と感じる必要はありません。調べて、きちんとお答えするのが、不動産会社の役目です。
校区から家を探している方へ
お子さまの通学を考えて、校区から家を探している方も多いと思います。校区が決まっていても、同じ校区の中で、浸水の深さが大きく違う場所があります。校区と水害リスクは、セットで確認すると、住まい選びの失敗が減ります。
- 校区の調べ方:福井市の小学校区・中学校区の調べ方と、家探しでの注意点
- 校区マップ:福井市の小学校区・中学校区マップ
- 校区ごとの、洪水・土砂災害の傾向:福井市のハザードマップの一覧表
現場でよくある失敗例と対策
- 失敗例1:申込みをしたあとの重要事項説明で、浸水想定区域だと知り、気持ちが揺れて、話が長引いた
- 失敗例2:想定最大規模だけを見て「全部浸水するから無理」と判断し、計画規模では浸水の浅い、条件のよい物件を見送った
- 失敗例3:区域に入っていないことだけで安心し、周辺の道路が冠水しやすい場所だと、住んでから知った
こうした事態を避けるための対策は、次の3点です。
- 物件を絞り込む段階で、住所でハザード(洪水の計画規模・想定最大規模、土砂災害)を確認する
- 浸水の深さ・建物・避難・保険を、セットで考える
- 周辺の道路の様子や、過去の浸水の有無も、現地や不動産会社で確認する
まとめ
- 水害リスクは、買う前に、住所ごとにハザードマップで確認できる
- 洪水は「計画規模」と「想定最大規模」の両方を見る。深さの目安は、0.5m未満・0.5〜3m・3〜5m・5m以上
- 浸水想定区域に入っていても、「買ってはいけない」わけではない。深さ・建物・避難・保険で判断する
- 区域の外でも、安全とは限らない。想定を超える雨や、内水もある
- 重要事項説明でも説明されるが、契約直前では遅いことがある。物件を絞る段階で確認する
なお、ハザードマップの区域は、見直されることがあります。ご判断の前に、福井市・福井県の公式のハザードマップで、最新の情報をご確認ください。「この物件のハザードはどう見ればいいか」「水害に備えた家選びを相談したい」といったご相談は、私たちにもお気軽にお尋ねください。購入全体の流れは、福井市の不動産購入の流れとポイントをご覧ください。売主の側から見た話は、福井市の浸水想定区域の家は売れる?で解説しています。

福井市の不動産購入・売却のご相談
この記事を書いた人:代表者 間 麗 (はざま あきら)
福井市の「春山不動産」代表。不動産業界歴20年の知見を活かし、不動産売買・賃貸の仲介から、管理、コンサルティング、相続・空き家・建物解体、住宅ローンのご相談まで、一人ひとりに寄り添い手厚くサポートいたします。
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