親が元気なうちに考える、実家の「生前売却」3つのメリット

親が元気なうちに考える、実家の「生前売却」3つのメリット

この記事でわかること

  • 生前売却の最大のメリットは、居住用財産の3,000万円控除を確実に使える点。相続後に時間が経つと特例が使えなくなる恐れがある
  • 親が元気なうちであれば、思い出の品の整理を本人の意思を確認しながら進められる
  • 実家を現金化しておくことで、老人ホーム費用や医療・介護費用など老後の資金計画が立てやすくなる
  • 最も大切なのは「親御様の気持ち」。子ども世代だけで話を進めないことが失敗を防ぐ鍵

「親が施設に入ることになったけれど、実家はどうしよう」「自分が元気なうちに、子どもに迷惑をかけないよう家を整理しておきたい」——近年、このような「生前整理」や「生前売却」に関するご相談が非常に増えています。これまでは「亡くなってから相続人が売る」のが一般的でしたが、実は親御様が元気なうちに売却に動くことには、多くのメリットがあります。すでに親御様の判断能力が十分でない場合の進め方は、親が認知症で実家が売れない?成年後見制度を使った売却の流れで解説しています。

【税金面のメリット】「居住用財産の3,000万円控除」が確実に使える

不動産を売却して利益が出た場合、通常は重い税金がかかりますが、「自分が住んでいる家(マイホーム)」を売る場合は、利益から最大3,000万円まで控除される特例があります。ポイントは「住まなくなってから3年目の12月31日までに売却しなければならない」という点です。施設への入所や、子ども世代との同居が始まってから時間が経ちすぎてしまうと、この強力な特例が使えなくなってしまう恐れがあります。親御様が「我が家」として認識されているうちに、あるいは離れて間もない時期に動くことが、最も手残りを多くする秘訣です。

【感情面のメリット】「思い出の整理」を家族で一緒にできる

亡くなった後の遺品整理は、残されたご家族にとって精神的にも体力的にも本当に大変な作業です。福井の広い一軒家ともなれば、片付けだけで数十万円の費用と膨大な時間がかかることも珍しくありません。親御様が元気なうちであれば、「これは大事なものだから新居に持っていこう」「これは処分しても大丈夫」と、ご本人の意思を確認しながら一緒に片付けを進められます。家族みんなで思い出話をしながら整理する時間は、とても温かく、後悔のない区切りになります。

【資金面のメリット】老後の資金計画が明確になる

実家を売却して現金化しておくことで、次のような資金計画が立てやすくなります。

  • 老人ホームの入居一時金や月々の費用の補填
  • 医療費や介護費用の確保
  • 子どもや孫世代への「生前贈与」の検討

資産が「不動産」のままだと分け合えませんが、「現金」に変わっていれば、将来の相続トラブルを予防することにも直結します。

実家がいくらで売れそうかは中古戸建の売却相場で確認できます。まだ判断がつかない場合は空き家管理のリアルな現実もあわせてご覧ください。

一番大切なのは「親御様の気持ち」

生前売却を進める上で、最もやってはいけないのが「子ども世代だけで話を進めてしまうこと」です。長年暮らした我が家を手放すことは、親御様にとって大きな決断です。まずは「将来どうしていきたいか」を優しく話し合うことから始めてみてください。

現場でよくある失敗例と対策

これまでの生前整理・生前売却のご相談の中で、実際によくある失敗パターンをご紹介します。

  • 失敗例1:子どもだけで売却の話を進めてしまい、親御様が「勝手に決められた」と感じて話がこじれた
  • 失敗例2:施設入所から時間が経ちすぎ、居住用財産の3,000万円控除の期限(3年)を過ぎてから売却活動を始めてしまった
  • 失敗例3:思い出の品の整理を後回しにし、売却直前に短期間で大量の片付けを迫られ、大切なものを誤って処分してしまった

こうした失敗を避けるための対策は次の3点です。

  • 売却の話は必ず親御様を交え、本人の意思を確認しながら進める
  • 住まなくなった時期から3年という期限を早い段階で把握し、逆算してスケジュールを組む
  • 思い出の品の整理は、売却活動と並行して時間に余裕を持って進める

実家を手放すことに気持ちの迷いがある方は、実家を売るのは悲しい…と迷う方へ|気持ちの整理と、後悔しない進め方もあわせてご覧ください。

まとめ

  • 生前売却は「税金面」「感情面」「資金面」の3つのメリットがある
  • 3,000万円控除は「住まなくなってから3年」という期限があるため、早めの判断が有利
  • 親が元気なうちなら、思い出の整理を本人の意思を確認しながら進められる
  • 最も大切なのは、子ども世代だけで決めず親御様の気持ちに寄り添うこと

生前売却は、決して寂しいことではありません。家族みんなが次のステップへ安心して進むための、前向きな「暮らしの整理」です。「うちの実家、今売ったらいくらくらいになる?」「親と一緒に一度話を聞いてみたい」——そう思われたら、いつでもお気軽にお声がけください。

春山不動産 代表者 間 麗

福井市の実家の生前整理・生前売却のご相談

この記事を書いた人:代表者 間 麗 (はざま あきら)

福井市の「春山不動産」代表。不動産業界歴20年の知見を活かし、不動産売買・賃貸の仲介から、管理、コンサルティング、相続・空き家・建物解体、住宅ローンのご相談まで、一人ひとりに寄り添い手厚くサポートいたします。